ハマトンの知的生活
2026-08-16 Sun 読了。
研究開発に携わっていながら休職中の身で、これからの人生の参考になるかと思い手に取った。
肉体の基礎
運動の重要性は本書に限らず様々なところで見聞きする。家に引きこもっているだけでは腐ってしまうし、やはり定期的に外、できれば自然に触れることが重要なのだと改めて感じた。
精神の基礎
公平無私の精神が挙げられていた。
わたしはソクラテスの時代から言われている正しく生きるということをモットーにしていて今回の休職も会社の私に対する扱いが正しくなかったという思いも無関係ではない。しかし、それはわたしの側から見た話であって、わたしは相手側の意見を聞いていない。それは答えを知るのが怖いから、わたしの考えを否定されることへの恐れからだと思われる。
本来であればわたしの意見を相手にぶつけて反応を見てみて、どうしても納得がいかなければ退職するなり何なりすればよいのだろうが、今はそのための勇気を蓄えるための時間なのか、いずれにせよ研修中に傷ついた自分を癒やすための時間と思って良いのか。
学問への取り組み方
何でもかんでも学ぶのではなく、分野を決めること。いい加減な動機で勉強をしても身につかない。「完全にものにするのだ」という強い気概を持って臨むこと。
旅行家ルイ・エノーは1週間あれば必要な外国語は身につくと述べている、という点が印象的だった。わたしは中国滞在中、何一つ中国語を喋れなかったが、必要な語数は概ね400語だそうだ。単に覚えると言うよりは対話しようという積極性に欠けていたのかもしれない。わたしはニーハオとバイバイだけで半年間を過ごしていた。あとはたまに对(うん)と言っていたくらいだろうか。通訳がいたからというのもあるのだが、会話など全くできなかった。したいと思わなかったというのもあるかもしれない。
孤独に対する箴言
「世の中にある者は己が時代を生きる、孤独なる者はあらゆる時代を生きる」 セナンクール
読書は過去の偉人との対話というのもどこかで見聞きしたことがある。
限界について
どんな人にも限界というものがある。最上の結果を求めすぎないこと。
賢明な人間は限界の内に安んじることを知っている。
休息の重要性
ゲーテの詩の引用が美しく、今まさに休息している私にとって印象的で励まされるものがあった。
星のごとく
急がず
しかし休まず
人それぞれに
神より受けし務を果たせ
著者について
フィリップ・ギルバート・ハマトン。1834-1894。両親は幼い頃に亡くなり、孤児となった。しかし、母方の財産で良い教育を受けることができ、絵画と文章で生計を立てようと試みたが、画家として大成することはなかった。
湖の無人島を借りて住み、読書や思索、写生に没頭した。
24歳でパリで知り合ったフランスの共和派の娘エージェニィ・ギャンドリエと結婚する。結婚から五年後、1863年、フランスへ移住。自然豊かなオータンAutunで28年間暮らした。
晩年には不幸が続き、国立大学教授資格を取った次男が心を病み自殺、一人娘をパリに嫁がせたため、老夫妻は田舎の寂しさに耐えかねパリ近郊に引っ越した(1891年)。夫人は聾になり、ハマトンは痛風予防のための過度の運動から心臓を悪くし、1894年11月4日、ルーブル博物館をみて帰った日の夕食後に心臓病で死ぬ。
メモ
ほとんどこのままの形でnoteにアップしている。